「そう教わった」を検証する|上部頸椎カイロプラクティックの臨床所見と画像分析の整合性検証

2026年6月に開催された上部頸椎勉強会にて、「上部頸椎カイロプラクティックにおける各種臨床所見と画像分析との整合性検証」というテーマで発表を行いました。

今回の発表は、「正しい・間違っている」を決めることが目的ではありません。

私自身が長年感じていた疑問を、実際のデータを用いて確認してみようと思ったことが始まりでした。

発表のきっかけ

きっかけは、アメリカのFacebookの上部頸椎コミュニティで見かけた投稿でした。

「耳の低い側がC1リスティング側になることが多い」という意見に対し、「いや、自分の経験では肩の低い側だと思う」というコメントが付いていました。

どちらも経験に基づく意見です。

「確かに。そう感じる事はあるな」と思いながら、ふと「実際にはどうなのだろう?」が頭に浮かびました。

私はこれまで、そのような話を耳にすることはあっても、実際に画像分析との整合性を検証した資料を見たことがありませんでした。

確認できる時代になった

上部頸椎カイロプラクティックの創始者であるB.J. Palmerは、画像分析を重視し、NCMや脳波など客観的な指標を用いていました。

つまり、「実際に確認する」という姿勢を大切にしていたと言えます。

現在はCBCTをはじめとする画像技術の発達により、以前よりも詳細な構造評価が可能になっています。

確認できる環境があるのであれば、実際に確かめてみる価値はあるのではないか。

そう考えたことが今回の研究の出発点でした。

「そう教わった」を検証する

上部頸椎カイロプラクティックには、長年受け継がれてきた多くの経験則があります。

それらは先人たちの経験の積み重ねによって生まれた貴重な知見です。

しかし同時に、「そう教わったから」で終わらせるのではなく、「実際にはどうなのか」を確認することもまた大切なのではないか。

今回の研究は、そのような考えから行った一つの検証です。

 

今回の検証では、

・姿勢所見
・頸椎症候
・上部頸椎チャレンジ
・各種検査による最終判断

などと、画像分析によって得られたリスティングとの整合性を検証しました。

またB.J.Palmerの出したリスティング分布と、自験例における現代の画像分析結果を比較し、分布傾向に整合性が認められるかの検証も行いました。

検証して見えてきたもの

結果として、画像分析によるリスティングと一定の整合性を示す項目は認められました。

しかし、いずれの検査においても単独でリスティングを説明できるほどの一致率は得られませんでした。

一方で、経験や知識の更新によって一致率が向上する可能性も確認されました。

私自身の調査では、2025年に開催したCBCT勉強会以前と以後で、最終判断と画像分析との一致率に変化が見られています。

これは、知識を更新し、自身の癖や思い込みを修正することで、結果が変わる可能性を示しているのかもしれません。

今回の検証は、何かを否定するためではなく、現状を確認し、今後の改善点や検証課題を考えるための一つの材料になったと考えています。

確認し、検証し、更新する

今回の研究を通じて改めて感じたことがあります。

それは、「そう教わった」を否定することではなく、「そう教わった」を確認することの大切さです。

事実を知ることで、情報は更新されます。

そして更新された情報は、次の成長や改善へと繋がっていきます。

確認できるものは確認する。

必要であれば修正する。

そしてまた検証する。

その積み重ねが、より良い結果へ近づくための一歩になるのだと思います。

 

今回の発表が、上部頸椎カイロプラクティックにおける評価や判断について、それぞれが改めて考えるきっかけとなれば幸いです。

詳細な結果や考察については、以下の発表資料をご覧ください。

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